八千代市政を考えるブログ

千葉県八千代市では、今どんなことが問題になっているのでしょうか?
身近な疑問、改善できそうなこと、千葉県から見た八千代市など、さまざまな角度から考えてみました。

八千代市長(2017.5月就任)のはっとり友則です。
現在取り組んでいる政策、進捗状況なども併せてご報告していきます。

カテゴリ:魅力アップ!やちよ > 既成市街地の活性化

八千代台・大和田・勝田台の京成沿線活性化については、私が市長に就任した当初から重点的に取り組みを進めている課題のひとつです。
八千代市の開発は、京成沿線から始まりました。そのため、市内の他の地域と比べてお住まいの方々の高齢化や空き家問題が顕著に見られるようになっています。まちの活性化に取り組むことは、これらの問題解決の糸口となることはもちろんのこと、今後の安定的な税収増にもつながりますので市の財政基盤を強固にするためにも大変重要な施策と言えます。

さて、今回は各駅で少しずつ動きが出てきましたので進捗状況を報告します。

八千代台駅西口駅前実態調査
(八千代台西口周辺の利用実態調査の様子)

各駅周辺での取り組み

● 八千代台
駅周辺の活性化を進めるにあたり、まず市が行わなければならないことは「適切な広さの駅前ロータリーを整備し利便性の向上をはかる」ことです。八千代台駅が完成した当初に比べて、人の流れや車の量が大きく変わっています。その現状に合わせて、まずは基準となる「駅前ロータリー広場」を適切なサイズに整えることで、周辺の開発について検討するという次のステップへと着手することができるようになります。
ロータリーは市が保有していますが、拡張の程度によっては現在所有する土地では足りなくなりますので、建て替えのタイミングで建物を後ろに下げていただき駅前広場の活用協力をお願いするなど周りの地権者へ拡幅の協力を得なければなりません。

その見通しを立てるために実態調査を実施しました。八千代台駅が完成してから一度もこうした調査は行われたことがなく、今回が初めての試みとなります。昨年、八千代台西口の調査を終えましたが、結果は現在の駅前ロータリーは歩道等を除いた広場としては約1.7倍もの広さを確保する必要があることが分かりました。
今年度は東口の調査を行い、その両方の結果を踏まえて東西の駅前広場のレイアウトを作成する予定です。

なお、交通量だけではなく、駅周辺における問題点だったり、利用するうえでの不便な点など今後改善する必要がある課題についても整理しています。特に東口の現状は、ロータリー内にバスの乗車スペースを確保することもままならず、ユアエルム前にバス停が作られています。
これらを解決し、適切な駅前広場をまずは完成できるように、今後も引き続き市として取り組みを進めていきます。

<取り組み状況>
令和3年度 
・令和3年3月25日付けで行った京成電鉄株式会社と包括連携協定に基づき京成沿線の活性化について定期的に協議を行った。(令和3年度/計9回)
・八千代台駅西口周辺利用実態調査等業務委託
⇒八千代台駅西口駅前広場周辺の利用実態調査を行い、駅周辺の問題点・課題について整理をした。

令和4年度
・八千代台東口周辺利用実態調査等委託業務(6月1日契約締結)
⇒八千代台東口周辺における交通量調査及び利用実態調査を行い、R3に行った西口と併せて東西の駅前広場のレイアウトの作成を予定。


● 大和田
大和田駅周辺に関しては、八千代台・勝田台の他2駅と状況が異なります。
ロータリーがある南側については、すぐ隣りが千葉市になっており区画整理の整備は完了していますが、大和田駅としての課題が多いのは北側地区のほうになります。
大和田駅北側地区については、大和田駅南側地区とともに昭和44年に土地区画整理事業区域として都市計画決定がなされているのですが、北側について事業化には至っていません。一番の原因は、北側の土地は住宅が多いため、地元の負担が大きいことがあげられます。
現在、「大和田駅北側地区まちづくり事業」を進めるために、地元の方々からニーズを伺う機会(地元勉強会)を重ねており、土地区画整備事業対象としての区域を縮小するのはどうか?もしくは代替案となる整備手法の検討は無いか?といった検討を行っています。

大和田駅北側を全体的に整備しようとするには難しい問題が山積していますが、現在、糸口として考えているのは都市計画道路「3・3・7大和田駅前萱田線」の整備に絡めた周辺開発です。道路整備とともに、隣接する土地から着手して整備範囲を広げていく進め方が現実的ではないかと考えられています。
都市計画道路

都市計画道路-2
(都市計画道路整備プログラム_市HP/https://www.city.yachiyo.chiba.jp/140500/page100089.html


現在は、地元のニーズやこれまでの調査結果を踏まえてコンサル事業者に整備方針の提案を依頼しており、今後はその内容をもとに市としての方針を策定していく予定です。

<取り組み状況>
令和3年度 
・令和2年度から地元の勉強会参加希望者を対象に3回、令和3年度も3回の地元勉強会を実施(計6回)。また、年度末には、勉強会の内容をまとめた「まちづくりニュース」を地区内全地権者へ発送。
・都市計画道路予定地の土地買取り協議を実施。

令和4年度
・大和田駅北側地区まちづくり整備方針策定等業務委託(4/18契約締結)
⇒土地区画整理事業の長期未着手地区の解消に向けた、千葉県が策定している「千葉県土地区画整理事業見直しガイドライン」に基づいた整備方針の策定を予定。



● 勝田台
勝田台駅南口については、八千代台駅で述べたような駅前の整備に要する調査がすでに完了しています。
南口は、今までエレベーターがない上に、のぼりエスカレーターのみでしたから、高齢の方や妊婦の方、乳幼児連れの方などに優しいとは言えないつくりとなっていました。そのため地元住民からはエレベーター設置の要望が10年以上前から出ていましたが、令和3年度から協議が進み、エレベーター及び上下のエスカレーターを合わせて設置する方向で進んでいます。
また、南口駅前広場の整備についてはホテル側の拡幅工事が終わり、今後エレベーター設置が終わった後に駅側の整備が終了する予定となっています。

(勝田台駅南口駅前広場整備計画(案))
※下図の計画案のエレベーター位置は変更予定です。
勝田台駅南口駅前広場整備計画案

一方、北口の駅前広場については、現在の広さの2倍程度が必要だという調査結果が出たところです。こちらについても課題をもとに、整備計画案の策定に向けて取り組んでまいります。

<取り組み状況>
令和3年度 
・勝田台駅南口駅前広場整備について
⇒R2年度に契約した勝田台駅南口駅前広場整備工事において、令和3年11月に駅前広場の一部工事が完了。残工事についてはエレベーターの設置工事と調整して進めていく。
・南口エレベーター設置について
⇒市と京成電鉄の間で協議を進めながら令和3年3月に京成電鉄が行うエレベーター設置に関する基本設計に対して、市が補助を行い令和4年3月に完了。

令和4年度 
・今後、基本設計をもとに詳細な事項について協議を進め、工事着手に向けて京成電鉄等と協力して取り組む。


空き家対策の推進について

京成沿線の地区をはじめ、少子高齢化や住宅の老朽化の進行により、今後は本市でも空き家の増加が懸念されています。管理不全の空き家が増加することにより、防災や衛生面、景観等の観点で地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼす可能性があることから、京成沿線の活性化を実現するうえでも早急な対策が求められるところです。
本市の空き家対策について、令和2年度から今年度にかけて着手した主な施策を紹介します。

<取り組み状況>
令和2年度
・「空家等の発生予防・抑制」「空家等の活用・市場への流通促進」「管理不全空家等の解消」の3つを柱とする方針として「八千代市空家等対策計画」を策定。

令和3年度
・市内3件の特定空家を認定し、八千代市空家等対策総合実施計画を策定し国の交付金を活用する事業として、管理不全の空き家に対する措置方針を定めた。
・京成電鉄と空き家対策事業として「空家等対策事業の実施に関する合意書」を締結し、空家予防の観点から「住まいに係るエンディングノート」を作成。京成沿線の住民や要望者への配布を通じ、空き家の発生予防に向けた周知啓発を行った。
・家屋の流通を促進するために八千代市空家バンクの制度を創設。

令和4年度
・移住・定住・子育て・近居等の住宅課題に関連した制度と併せて空家リフォーム費補助制度を創設し、運用を開始した。
・令和4年7月12日に特定空家等1件について略式行政代執行による解体、除却を実施(本市で初の事例です)。


「京成沿線の活性化」を実現するためにはいくつものステップを要しますが、八千代市の未来に向けて、ひとつずつ着実に取り組みを進めてまいります。


(ご参考)
八千代台・大和田・勝田台駅周辺活性化の公約について(2020年09月20日)
http://blog.livedoor.jp/hattoritomonori/archives/26250544.html

八千代台・大和田・勝田台駅の周辺活性化については、東葉高速線の運賃値下げと並んで「八千代市を根本から変える」ため、私が掲げた公約のひとつです。
市内でも京成線沿線は開発が先行していたことから、近年、京成線沿線にお住まいの方々の高齢化が進んでいます。こうした地域の再開発を進めて街を活性化することは「安定的な税収増」につながり、市の財政基盤の確保が期待できるからです。

そのためのステップとして、まずはこの沿線地域を分断してしまっている線路を高架化(もしくは地下化)する「連続立体交差事業」を進めることを考えていました。
例えば、京成船橋駅のようなイメージです。
もし八千代台駅が高架化できれば、車で簡単に東口側と西口側の行き来が出来るようになり、再開発する上でも利便性の高いまちづくりが実現できるでしょう。高低差のある勝田台駅なら、地下化が適していそうです。大和田駅なら少し場所をずらすことで、よりまちづくりがしやすくなるかもしれません。

と、このように「連続立体交差事業」ありきで、就任後から京成電鉄(株)の社長・会長とも何回かお会いし、事業化への協力を頂けるよう話をしてきました。
しかしながら、この検討を白紙に戻さなければならない事態が発生してしまいました。今年の3月に、「国からの補助金が出る可能性が期待出来なくなった」と報告を受けたからです。

事業にかかる費用の内訳として、一般的には国庫補助金が約5割弱、県が3割程度、鉄道会社が1割程度、残り1~1.5割が市の負担となるのですが、この国からの補助金を得るにはB/C(ビーバイシー:費用便益費)いわゆるコストパフォーマンスが1以上でなければならないとされています。
ですが、従来は「県が強化事業であると認めていれば補助金の対象とする」ことになっており、少なくとも公約として皆さんにお伝えしていた時点では実現性の面で問題はありませんでした。
ところが、国の方針によって
・B/Cが1以上であること
・5年ごとに見直し、1以上でなければ補助金をストップする
という状況となったことが3月時点で明らかになったのです。

このB/Cは、踏み切りの遮断状況や交通量、移動時間の短縮便益などから算出します。例えば交通渋滞を招く踏み切りの場所が主要な道路上にあって「開かずの踏切」など揶揄されるほど困った状況にあったり、踏切事故歴が多い場所であるなどといったことが大きく影響します。
今回の高架化を検討していた市内各所について算出した結果、「1」には届かないことが分かっています。仮に「1」に届きそうだ(若しくは1になった)としても、こうした事業は長期にわたるため途中で1に届かなくなるケースも十分考えられます。着手したものの、5年ごとに入る見直しで国・県からの補助金が途絶えれば市の財政が立ち行かなくなり、途中で事業を断念せざるを得ない可能性も大いにあることから、今回の9月議会で、無念ではありますが「高架化断念」を表明いたしました。

しかしながら、京成線沿線の活性化まで諦めるつもりは毛頭ございません(議会でも申し上げました)。
高架化ありきで検討を進めてきたため、一度ふりだしに戻ることになってしまいましたが、京成電鉄にはまちづくり事業へご協力いただく話は引き続きご承諾いただいています。
今後検討を進めていく中で、必要に応じて
①土地の高度利用を促進するため駅周辺の商業地域の見直し
②建ぺい率、容積率の緩和
を行政が進め、民間が開発しやすい環境を整えていくことが重要だと考えています。
(八千代緑が丘駅の周辺開発は、まさにこの成功例です。)


この件に関して皆さんにご報告できる段階になりましたら、また改めて進捗をお伝えしていきます。

(補足)
令和3年3月25日に「京成電鉄株式会社と包括連携協定」を締結しました。これは持続可能な地域社会の発展のため、まちの魅力の創出・向上、文化・観光の振興のほか、駅周辺の整備等に関して連携をより一層推進することに合意頂くものであり、京成電鉄が自治体と包括協定を結ぶのは今回が初の試みです。
小林社長からは、
「ここ数年、八千代市行政との関係性が薄くなってきたと感じていたところ、服部市長に代わってからまちづくりへの協力関係を求めていただけるようになり、パートナーとして期待されていることが伝わって大変嬉しく思っていた。八千代市とは、京成バラ園や京成電設工業などゆかりがあり、ぜひ強い絆で今後も協力体制を強めていきたい。」
との大変ありがたい言葉をいただきました。
実は、小林社長は東葉高速立ち上げにも携わってこられた方で、八千代市の状況などもよくご存じです。ぜひ京成電鉄さんと八千代市がWin-Winの関係で、より良いまちづくりを進めていきたいと考えています。
京成との協定

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