八千代市政を考えるブログ

千葉県八千代市では、今どんなことが問題になっているのでしょうか?
身近な疑問、改善できそうなこと、千葉県から見た八千代市など、さまざまな角度から考えてみました。

八千代市長(2017.5月就任)のはっとり友則です。
現在取り組んでいる政策、進捗状況なども併せてご報告していきます。

カテゴリ: 八千代市政

私が目指す八千代市の将来像は、乳幼児から高齢者までが安心して暮らせる八千代市の実現です。特に子育て支援に力を入れないと都市間競争に勝ち抜けないという私の持論もあり、八千代市の発展には欠かせない大きな柱だと考えています。
さて、先日「子育てしやすい街をモットー(指針)にしている」とTwitterに書いたところ、本当に八千代市は子育てしやすいのか?実感できない、といった声が寄せられました。

そこで今回は、子育てしやすい街なのか?という点についてお話していきたいと思います。

八千代市は、もともと「子育て支援」に積極的に対応してきた先進市であるという歴史があります。今ではメジャーな制度である『幼稚園就園奨励補助金』も、仲村元市長時代に創設された、当時日本で初めて八千代市が始めた取り組みです。
※補足
仲村元市長は、昭和46年から平成7年まで6期24年にわたり、市長として八千代市発展のために尽力された方です。
(詳細はこちら)
http://www.city.yachiyo.chiba.jp/22000/page100044.html

しかしながら、私が就任する前の予算編成には、市民サービスに直結する予算がかなり削られていることが大変気にかかっておりました。
以前にもこのブログでお話しましたが、例えば「市内の9社会福祉法人と4認可外保育園が協議の上、平成29年度に9,200万円の予算要求を行ったが、399万円しか措置されなかった」という状況がありました。これが何を意味するかというと、待機児童を減らすための措置をほぼ全額カットしているという話なのです。当時の保育行政において、待機児童ゼロに向けて取り組みを進める上で保育士の確保は至上命令下であったにも関わらず、八千代市独自の加算である処遇改善が全く図られていませんでした。

(ご参考)
2014年04月09日 「平成26年度当初予算について」
2017年02月09日 「これでいいのか八千代市の保育行政」


なぜこのような削減方向に舵が切られていたかというのは、平成26年度をピークに中央図書館・市民ギャラリー、総合グラウンド、小中学校耐震改修、八千代台東小学校及び八千代中学校校舎改築事業など大規模建設事業が重なっており、歳入歳出ともに600億円を超えたことも要因のひとつだろうと思われます。
(平成29年度までの普通会計歳出歳入推移)
平成29年度までの歳入歳出
そして翌年以降の平成27年度~29年度の3年間は財調確保に力を入れていたことが分かります。財調を確保するには、「予算を使わない」ということが必要です。すると必然的に、どこかを削らなければならないということになるわけです。
(平成29年度までの財調残高の推移)
平成29年度までの財調推移

大変厳しい財政の中では、何を優先するべきかという点が重要です。
当然、予算の関係上難しい施策も出てくるであろうことは理解できますが、就任前に計画が進められていた市内公立小・中学校のエアコン設置について、「令和2年度末を目標に特別室、音楽室、図書室、校長室、応接室、職員室、事務室のエアコン設置率100パーセントに向け取り組んでいる」という内容を見て、愕然としました。
「順序が逆でしょう」と強く思う計画案です。
そもそも学校のエアコン設置は、最近の猛暑に加え、生まれながらにエアコンが当たり前の子ども達の教育環境の整備の観点から普通教室のエアコン設置を最優先に進めるべきであり、大人のためではありません。

正直言って、「子育てしやすい街」を目指しているとは思えない状況でした。
そんな八千代市を目の当たりにしながら、「八千代市を何とかしなければならない!」という気持ちが日に日に強まるばかりでした。
財政カットによる市民サービスの低下は、悪循環しか生みません。限られた予算の中であっても、いくらでも改善できる点はあります。

八千代市はベッドタウンであり、まちの未来を考えると「高齢者福祉」そして「子育て支援」の2本柱は外せないと考えていますので、皆さんのお力添えで2017年(平成29年)5月に市長に就任させていただいてから、特に子育てに関する支援については重点的に取り組んできました。
初年度の平成29年度予算は既に(前市長によって)決定されていたため大きく舵を切ることは困難でしたが、翌年の30年度からは「子どもが第一の市政を大きな柱に据えた予算編成」ができたものと考えています。特に(待った無しの案件である)①働きながら安心して子育てできる環境づくり ②教育体制の強化 の2点にポイントを絞りました。

具体的に、平成30年度までに実施した主な項目は以下のとおりです。
〇民間事業者による保育園の整備
〇保育士の市外流出を防ぐため民間保育園等の保育士に対する処遇改善補助金充当
〇保育園の増設
〇幼稚園就園奨励費補助金の増額
〇学童保育所の増設、学校内への移設
〇学童保育所の受け入れ定員の増加
〇学童保育指導員の確保
〇放課後子ども教室の拡充
〇小・中学校の普通教室を含めたエアコン設置
〇小・中学校のトイレ整備
〇小・中学校のICT教育に対応した教育ネットワークシステムの運用管理に伴う補助費及び物件費充当
〇小学校の英語教育時間の拡充、推進とコミュニケーション力の育成注力
〇小・中学校の英語教育でALT(外国語指導助手)の派遣事業推進、全校常駐
〇ALTを指導課に配置し、英語教育教材やカリキュラム作成、教職員の研修等の推進

・待機児童ゼロ対策
保育環境の整備は、安心して働けるための子育て支援の柱です。そのため、就任後は保育所の増設や保育士の確保のために市として出来る限りの整備・後押しをしてまいりました。
保育所新設という点では「就任後の成果なのか?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。実際、平成28年度も7園新設されているのですが、どれも小規模保育事業所と呼ばれる定員19名以下の施設で抜本的な対策にはなっていませんでした。そこで私が行なったのは、より積極的な大規模保育所新設の後押しです。
平成30年度までの2年間で60名規模を3園、90名規模を2園、160名規模を1園新設したほか、小規模保育事業所を60名規模に移行するなどして合計531人の定員増(待機児童30人まで縮小)を実現しています。
(保育園待機児童の状況推移_各年度4/1時点)
保育園待機児童状況

・教育体制の強化
地域差が大きい英語教育ですが、八千代市は平成30年度時点で船橋市や習志野市などの近隣市と比べて年間授業コマ数をかなり多く設定しており、教材やカリキュラム作成を独自で行ったり、計画的にALT(外国語指導助手)を増やすなど先進的な取り組み状況となっています。
また、ICT機器の導入も平成30年9月に完了しており、他市に遅れを取ることなく環境整備を図りました。

・子育て支援に対する予算状況
平成26年度~29年度(①)と平成30年度~令和2年度(②)の子育て支援に関する当初予算額平均を比較すると、約18億円増加しています。
①と②の期間における一般会計の伸び率が1.05%である中、児童福祉費は17.55%の伸び率であるのは、特に待機児童対策に重点的に予算を配分した結果です。
(主な理由)
<保育園の待機児童対策>
確保数を、①の期間で約200人であったのに対し、②の期間で約600人へ増やし、その平均予算額として約14億円の増額となっています。
<学童保育の待機児童対策>
確保数を、①の期間で約250人であったのに対し、②の期間で約400人へ増やし、その平均予算額として約2.7億円の増額となっています。


さて、八千代市では平成27年に策定した「第1期八千代市子ども・子育て支援事業計画」が平成31年度末をもって終了したことから、令和2年度~令和6年度「第2期八千代市子ども・子育て支援事業計画」を今年4月に策定しています。
その際、昨年1月に実施した「子ども・子育て支援に関するニーズ調査(市内7圏域ごとに、0歳から小学校4年生までの児童をそれぞれ無作為に抽出)」の結果も参考にしました。
この計画案に沿って、皆さんに少しでも「子育てしやすい街」だと実感していただけるよう、事業を推進してまいります。

八千代市子ども・子育て支援事業計画(令和2年度~令和6年度)
http://www.city.yachiyo.chiba.jp/80500/page100049.html
第2期子育て事業プラン

ちなみに、第1期計画からの見直し・新規追加した事業として、次のような項目を組み入れています。
★公立保育園を活用した待機児童対策
★公立保育園の定員及び配置の見直し
★教育・保育研修等による資質の向上
★教育・保育施設等への指導監査の実施
★公立保育園における幼児教育の充実
★一時預かり事業(一般型)の利便性の向上
★ファミリー・サポート・センターの利用促進
★充実した子育て情報の提供
★子育て情報のメール配信
★放課後子ども教室の整備
★長期休業中の児童の居場所づくり
★多様な子どもの居場所づくり
★都市公園の充実
★小児救急医療体制の維持
★子育て世代包括支援センターでの包括的な支援の実施
★子ども家庭総合支援拠点の充実
★医療的ケアを要する園児の受入体制の構築
★発達に課題のある園児への支援
★生活困窮家庭の子どもの学習・生活支援事業
★外国籍の親子に対する子育てに必要な情報提供・相談支援

この計画は、令和4年度にも再度見直しを図っていきます。
ぜひ皆さんからの声も、引き続きお寄せください。


(参考資料)
八千代市の財政状況
http://www.city.yachiyo.chiba.jp/40500/page000085.html

八千代市子ども・子育て支援事業計画(令和2年度~令和6年度)
http://www.city.yachiyo.chiba.jp/80500/page100049.html

先日、八千代市の子育て行政についてTwitterで方針をお伝えしたとき、多くの皆さんからご意見が寄せられておりました。その中で、「市民を集めて声を聞いても、ただ会を開いただけで終わっているのではいか?」とご不安に思われているお話をお見掛けしました。

今回は、こうした皆さんを集めてのワークショップをどのように生かしているのか?についてお話したいと思います(子育て行政についても、後日お話します)。

現在、八千代市では、令和3年度から始まるあたらしいまちづくりの指針となる「八千代市第5次総合計画」を策定しています。これは、①基本構想 ②基本計画 ③実施計画 という3層の構成です。

①基本構想
これは、長期的な視点から八千代市のまちづくりを進める上での基本理念と将来像を示すもので、将来像の実現に向けた施策の大綱となるものです。
「八千代市第5次基本構想」の素案を作成するにあたっては、八千代市が目指す未来のまちの姿をイメージする必要があります。そこで皆さんがどのような未来図を描いているのか、その方向性をワークショップやワールドカフェ、そして市民意識調査などを通して寄せられたご意見を参考にさせていただきました。ちなみに、(Twitterでご意見を拝見した)けんじさんがご参加くださったのは、このワークショップではないかと思われます。

ワークショップ
「あなたが考える八千代らしさとは?」・「八千代市の目指すまちはどんなまちか考えよう!」の2つのテーマで、小学校区ごとでワークショップを開催しました。
第5次ワークショップ

ワールドカフェ
カフェのようなリラックスした雰囲気でグループに分かれて意見交換を行う手法です。グループ別に6つのテーマから選び、話し合いながら意見やアイデアを出していただきました。
第5次ワールドカフェ

八千代市市民意識調査
市民の方々が市政に対してどのような意識を持っているか、市政全般にわたる考えを広く伺い、その意向を計画策定に反映させるとともに、市政運営や政策立案の基礎資料とすることを目的として実施しているものです。
(例)
第5次調査ー2

市長と秀明大学学生との意見交換会
これからの時代を担う若者の意見を直接聞くことを目的として、「八千代市が若者に選ばれるまちになるためには?」をテーマに、秀明大学の学生5人との意見交換会を開催しました。  
第5次秀明大学

さまざまな角度からご意見を頂いた結果を市役所でまとめて、後日ホームページで皆さんへ報告しています。
(各取り組みのまとめ報告)
http://www.city.yachiyo.chiba.jp/11000/page100001_00005.html



こうして皆さんから集めた声をもとに、基本構想の素案を策定しました。
八千代市が目指す未来の姿(=基本的目標としての将来都市像)は、「人がつながり 未来につなぐ 緑豊かな 笑顔あふれるまち やちよ」です。
これには、
●人と人とのふれあいだけでなく、行政と地域の様々な団体との交流や連携によって市民の誰もが孤立しないまち
●先人たちがこれまで築いてきた歴史や文化、豊かな自然環境、そして活気あふれる産業を次世代へ継承しながら持続するまち
●喜びや希望、活気を連想させ、安心して明るく暮らせるまち
という思いが込められています。

この思いのもと、「将来都市像を実現するための5つの柱」を基本目標とし、それぞれより具体的な方向性を設定しました。現在ホームページで、この基本構想の素案を公開し、パブリックコメントの募集をしているところです。寄せられたご意見、そして(諮問機関である)八千代市総合計画審議会の答申を踏まえてさらに内容をブラッシュアップし、今年度の12月議会に上程する予定です。

(八千代市第5次基本構想(素案)への意見募集)
【期間】令和2年8月3日(月)から令和2年9月3日(木)まで
http://www.city.yachiyo.chiba.jp/21800/page100260.html



恐らく、今回のワークショップが「ぼんやりしている」と感じられたのは、総合計画の土台となる①基本構想について作成するためのものだったからだと思われます。
具体的にはどうするのか?といったビジョンについては、次の②基本計画(限られた資源を最大限活用し、まちづくりを着実に推進していくため重点的に実施する施策)の中で整理し、
・現況と課題の整理
・基本方針、指針
を設定しながら、計画を確実に進めていくための実効性を確保していく考えです。

さらにその後、③実施計画の中で、基本計画で定めた施策を効果的に実施するための具体的な事業を明らかにしていき、実現に向けた体制の整備や財源の裏付けを伴う市政の具体的な計画をしていきます。


今回は、第5次基本構想についてを例にお話しましたが、八千代市では他事業に関しても、市民の皆さんの声をお伺いする機会を広く持ち、行政に反映していく努力をしています。
とはいえ、令和2年3月にまとめた市民意識調査を拝見すると

<市の事業やイベントなどの情報を得る手段は?>
⇒広報やちよ 76.1 %
⇒市のホームページ 17.4 %
⇒市のツイッター(やっちツイッターを含む) 3.3 %
市長との対話や市の会議等 0.1 %

<今後取り組んでほしい市の情報は?>
⇒広報やちよの配布の充実 48.8 %
⇒携帯電話への情報提供の充実(情報メールの配信等) 30.8 %
⇒インターネット(ホームページ)やツイッターによる情報の充実 39.1 %

<市の課題を市民と一体となって解決するために必要なことは?>
⇒情報公開(制度)の充実 20.9 %
⇒市役所が行っている施策や事業内容のPR 21.4 %
⇒市民の立場から見て市の抱えている課題を市民が理解しやすい仕組みをつくる 48.7 %

という結果となっていましたので、こうした皆さんのニーズに応えられるよう、今後も私のツイッターで出来る限り情報提供したり、皆さんからの声をお伺いする機会を作っていきたいと考えています。

(ご参考)
八千代市第5次総合計画策定基本方針
http://www.city.yachiyo.chiba.jp/content/000112852.pdf

※補足 8/7
八千代市では緊急事態宣言下にあった第1波を超える感染状況が見られているため、(第1波と同等に)対策を講じるという意図でお伝えしています。本来、市区町村レベルでは発令できずその旨も付記したのですが、「緊急事態宣言」という言葉だけ一人歩きし混乱を招いてしまっているようです。
大変失礼いたしました。


新型コロナウイルスが蔓延した第1波で本市は15名の感染者が確認されましたが、8/5時点で49例目にのぼっており、既に第1波の2倍を超える感染者数となっています。
国では「陽性者に重症患者が少ない」等の理由から、現時点では緊急事態宣言を発令しないとしており、千葉県も8/4付で新たな協力の要請がなされているものの「緊急事態宣言」は出していません。

この「緊急事態宣言」ですが、都道府県単位で発令することになっています。
市区町村には権限が無いため、本来であれば八千代市として宣言できる立場にはないのは承知しておりますが、緊急事態宣言下にあるという強い危機感を市民の皆さんと共有しなければ、この蔓延を止めることは困難です。
新型コロナウイルスへの危機感は、市民の皆さんの中でも温度差が大きいと思われますので、まずは明日から来週にかけて周知の徹底から取り組みます。
「国で緊急事態宣言が発令されていないのに、防災無線を使うのは迷惑である」というお声があるかもしれませんが、何卒ご理解・ご協力の程よろしくお願いいたします。


<新型コロナウイルス感染症対策(周知について)>

(目的)
現在、八千代市では新型コロナウイルス感染拡大が顕著に見られ、緊急事態下にあるという共通認識を市民の皆さんに持っていただく。

(開始予定日)
8月7日(金)~ 当面の間

(手段)
以下、7種類の手段を活用し、周知徹底を図る。
1.八千代市ホームページへの掲載
(1)市長メッセージ掲載 〔8月7日(金)予定〕
・感染者が増加中である状況説明
・感染拡大を防止するための手段や要領について
(2)新型コロナ関連情報の開示
現在は、各種新型コロナ関連情報を掲載しているが、加えてPCRセンターに関する情報配信について、医師会との調整後に掲載。

2.やっち情報メール(全件対象)での配信
〔8月11日の週から開始〕
現在は、感染者情報のみを配信しているが、さらに
・大人数での会食自粛
・マスク着用、手洗い実施のお願い
・感染症対策(県が8/4定めたガイドラインに準ずる)が不十分な施設利用の自粛呼び掛け
を行う。

3.防災無線
(1)市長の声〔8月8日(土)11時〕
・市内感染者の増加周知
・マスク・手洗い等により感染拡大をみんなで防止するよう声掛け
(2)通常
・平日に1回程度、感染拡大に関する注意事項やお願い事項を放送

4.巡回啓発車の活用
8月11日(火)の週から駅周辺、住宅地、公園付近で感染拡大防止に関する注意事項やお願い事項を放送しながら巡回する。
※やっちご意見箱や苦情等に併せて、柔軟に経路を選定

5.路上喫煙防止パトロール(青パト)の活用
8月11日(火)の週から、「4.巡回啓発車」の実施内容に準じて、路上喫煙防止パトロール時に併せて行う。

6.「ラジオふくろう」の活用
現在、平日12時20分頃から放送している「新型コロナ関連健康相談窓口」に関するお知らせを継続実施していく。
(FMふくろう)
https://296.fm/


7.その他媒体による周知発信
ありとあらゆる媒体を活用し、一人でも多くの市民の皆さんに注意喚起が届くように、更なる工夫を検討する。Yahooと調整し周知を実施予定。具体的な実施内容については検討調整中。

 
<市役所の勤務体制について>
第1波の緊急事態宣言時には、出勤パターンを3交代制(早出・通常・遅出)にし、密にならない工夫や、感染時のリスク軽減を図りましたが、再び3交代制を導入し「市役所から感染者を出さない努力」を行います。
庁内職員のマスク着用や、ビニール・アクリル板等による飛沫防止対策の徹底については、改めて全員に注意を促した次第です。

<小・中学校について>
現在、市内小・中学校は8月17日(月)まで夏期休暇となっています。
八千代市ではまだ一名も児童生徒や学校関係者から感染者が確認されていませんが、今後の状況に応じてオンライン授業が即日導入できるよう、準備を進めています。
ただし、授業日数が第1波で大幅に削られており、現時点でもギリギリの日数であることから、方針としては「陽性者が発生した学校のみ休校対応とする。休校期間はオンライン授業で対応する。」としています。
(詳細はこちら)
http://blog.livedoor.jp/hattoritomonori/archives/25505399.html


※補足
オンライン授業については、第1波の時点で私立学校や塾等で導入されており、実際に利用したご家庭からは「長時間の利用で目の疲労が心配」「(最初はもの珍しがっていたが)授業に集中できないのでやはり対面授業が良い」「(小学生のサポートで)保護者の負担が大きい」等の声も聞かれます。
今後、オンライン授業を活用する際にはそれらの課題に配慮できるよう、引き続き準備を進めてまいります。

<市内公共施設の利用・部活動やスポーツについて>
感染者が急増する中で、注意喚起と並行して市内公共施設の利用制限についても検討している最中です。本来であれば、8月から県では部活動やスポーツ交流の緩和をしていますが、果たして八千代市の状況を鑑みてその判断が正しいかどうか再検討するべきと考えています。
とはいえ、まずは周知を最優先事項とし、おって具体的な対応策にご理解を頂けるよう、段階を経て取り組んでまります。

<休業要請の有無について>
市内企業に対して休業要請など、制限をかけてしまった場合、それに伴う補償もセットに考えなければなりません。現在の八千代市財政では補償にかけられる余力がないため、企業への制限は見送ることとしました。
ただし、国・県で緊急事態宣言発令に伴い休業要請が行われた場合は、それに従った対応を行います。

(事業者の方へのお願い)
・「感染拡大防止対策チェックリスト」により、感染拡大防止のための取組を適切に行うとともに、業種別の感染拡大予防ガイドラインが策定されている場合には、それを確実に実践し、感染拡大防止対策を徹底してください。特に、酒類を提供する飲食店については、「3つの密」の回避、換気など、取組の徹底をお願いします。
感染防止チェックリスト
令和2年8月8日0時から感染拡大予防ガイドライン等に基づく対策が徹底されていない接待を伴う飲食店やカラオケ店(※)の休業を要請します(千葉県の要請により)。
・飲食店の事業者の皆様は、ガイドラインを実践し、テーブルは、飛沫感染予防のためにパーテーションで区切るか、できるだけ2m(最低1m)以上の間隔を空けて横並びで座れるように工夫してください。
※カラオケ店:カラオケ機器を設置し、客がその機器を利用し、歌唱する場を提供する店舗


<市民の皆さんの自発的な感染対策>
強制的に自宅待機や休業要請が実施できない以上、市民の皆さんにご協力いただくほかありません。
平常時では使用しない手段(防災無線など)を活用することで、「市内が今、緊急事態下にある」という意識を高めた先での、ひとりひとりの感染対策は皆さんに委ねることになります。
8/5の市内感染者の皆さんは、全員「感染経路不明」でした。
もはや、市内のどこにいても感染するリスクが大いに高まっています。
自分はかからないだろう、という気の緩みを捨て、
ぜひ「かからない・うつさない」の意識を持って過ごしていただければ幸いです。

(お願い)
・感染拡大予防ガイドライン等に基づく感染防止対策が徹底されていない施設等への外出を控えてください。
・特に、接待を伴う飲食店、酒類を提供する飲食店、カラオケが設置されているお店の利用にあたっては、感染防止対策の徹底を確認するとともに、感染拡大防止のため、責任と自覚を持って利用してください。
・カラオケの利用による感染拡大が発生しています。カラオケ利用の際は、歌唱中もマスクやフェイスシールドの着用をお願いします。
・マスクを着用せずに会話すること、大声で会話することは、できる限り避けてください。 ・ご高齢の方は重症化のリスクが高くなっています。自分が感染しない、周りの方に感染させないよう、感染リスクの高い場所への外出は自粛してください。
・日頃、同居していない方同士でのおおむね5、6名以上での多人数での会食は、時間帯や場所を問わず、自粛してください。
・食事中以外、特に会話を楽しむ際には、マスクの着用に努めてください。


ご参考/
(「新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく協力要請について」千葉県)
https://www.pref.chiba.lg.jp/kenfuku/kansenshou/ncov/soti17.html

約6年半前、台風被害で八千代1号幹線沿いが浸水※し、多くの家屋や車の浸水被害が発生してしまったことは記憶に新しいと思います。被害が拡大した原因として、水位警報装置の整備不良や避難の事前周知不足、対策本部設置の遅れなどが挙げられていますが、市民の皆さんを救うためには「的確な判断」そして「迅速な対応」が不可欠です。

私は市長就任にあたっての公約として、「水害・地震など災害時の円滑な対応を目指し、自衛官による防災危機管理監の常駐の実現」を掲げていました。
今回は、このお話をしたいと思います。

※補足
現在は、「八千代1号幹線浸水対策調整池築造」を完了し、2018年から八千代1号幹線水位ウェブカメラを3か所に設置し常に監視できる状態に改善しています。
(八千代1号幹線水位監視カメラの公開について)
http://www.city.yachiyo.chiba.jp/802000/page100040.html

1号幹線水位カメラ

災害が発生したときや被害を事前に防ぐために、地方自治体には「危機管理監」というポジションが置かれています。具体的には、豪雨や台風などでの水害や地震による倒壊などの緊急事態が発生した場合の災害対策本部の運営を担ったり、自衛隊との連携を図ること、また被害を未然に防ぐ対策(危機管理マニュアルや避難設備の整備や職員・市民への訓練など)を講じる役割を担っています。

従来は、例えば八千代市でも環境部次長などが兼任してきたポジションであり、専門の人間を置くという事例は国内でも少なかったのですが、危機管理に精通した人材を置くことでより的確な判断が出来るという理由から、近年(特に東日本大震災以降)は専門家を置く地方自治体が増えています。
「職員に専門的な研修を受講させることで対応すればよいのではないか?」という声も聞かれますが、養成期間に時間を要することや、人員配置が代わる可能性があることを考えると、いつ起こるか分からない危機的状況に備えるという観点から、長年知識を重ねてきた方を登用することが望ましいと思われます。
私もこの考え方は取り入れるべきだと考えており、就任後から早速適任者選びを始めました。

専門家には、「いざという時に連携が不可欠な自衛隊」とのパイプを持ち、且つ長年の勤務で防災や危機管理に関する知識や経験が高い自衛官の方を市役所の一職員として駐在いただく方向で進めました。
「専門知識を持つ方」という観点で言えば自衛官にこだわる必要はないかもしれませんが、やはり実際に被災地での凄まじい状況や避難所の実状を目で見て、第一線で解決されてきたという経験ほど貴重なものはありません。
ちなみに、退職自衛官を起用すると国からの金銭的な支援を受けられるというメリットもあります。

選任に1年かかってしまいましたが、公約どおり、2018年から八千代市には退職自衛官の駐在が実現しました。
この方の最終階級は将官(陸将補)です。陸上自衛隊の中でも大変上位の役職に就かれていましたので、豊富な経験はもちろんのこと、ずば抜けたプロの危機管理判断、そして防衛関係の強いパイプをお持ちです。
八千代市の組織の上では「危機管理監」は総務部に属していますが、実際には市長直属です。的確な判断を迅速に指示・行動に移せるようにしています。

この効果が遺憾なく発揮されたのが、まさに昨年の台風15号・19号での対応でした。
さまざまな情報を前に、どの道路が水没しそうか?どのような被害がどこで発生しそうか?といった判断が大変早く、しかも的確だったので、自信を持って事前に防災無線や広報車、災害メールなどを使って避難指示や交通対応などを速やかに行うことが出来ました。
そのため、八千代市では2013年の台風時のような大きな被害に至りませんでした。

今も九州地方で大変な被害が発生しています。
八千代市でも今後の自然災害に備え、出来る限り早めに情報を発信してまいります。
ぜひ皆さんも、災害・緊急時に備えて「やちよ防災メール」への登録にご協力ください。
(詳細はこちら)
http://www.city.yachiyo.chiba.jp/121500/page200134.html



ご参考/
八千代市危機管理課
http://www.city.yachiyo.chiba.jp/121500/

「やちよ防災メール」
市から発信する防災情報、防犯情報、環境情報、火災情報などの中から、任意の情報を登録することで自動受信できます。
http://www.city.yachiyo.chiba.jp/121500/page200134.html

「千葉県防災ポータルサイト」
10分毎に雨雲の様子や警報、避難に関して情報が更新されます。
http://www.bousai.pref.chiba.lg.jp/portal/

防災対策について その3(2013年11月18日)

今回の新型コロナウィルスでは、各自治体それぞれで支援策が行われています。
八千代市でも、特に「国や県の施策」では救済できていない日陰の部分に着目し、現時点までに新生児やひとり親世帯、中小企業支援などの独自支援策を講じてきました。
例えば、国が「児童手当受給者に対して一律一万円を上乗せ給付する」という支援を行いましたが、この対象者には4/28以降生まれの新生児が含まれません。ですが、この新型コロナウィルスで少なからず影響を受けている市民には変わりないという観点から、市税を投入することで他の子育て世帯と同額の給付をしました。

こうした給付金はもちろん、現金を配らなくても何か対策をするには「財源」が必要です。
この財源は、どこから捻出すると思いますか?

今回は、『八千代市の財政は今後大丈夫なのでしょうか?』『今後災害があったときに不安なのですが・・・』といったご質問に向けて、八千代市の財政についてお話します。

八千代市の財政調整基金
この表は、平成30年度までの八千代市の財政調整基金の推移です。
今回の新型コロナウィルス対策や昨年の台風による災害対策など、いざというときに使える貯金となるのが「財政調整基金」、いわゆる財調と呼ばれる積立金です。
財源に余裕のある年度は積み立てておいて、収入が大きく減ったり(大規模事業や災害など)一時的に多額の支出が必要になったときは取り崩します。

もうひとつ、財政について議論する際、しばしば出てくる目安の指標として「経常収支比率(=経収率)」という数字があります。これは、いわゆる固定費(人件費や公債費、物件費など経常的に支出される経費)を賄うため、財源の使い道としてどのような経費にも充てられる一般財源(地方税や地方交付税など毎年経常的に収入される財源)をどの程度充てているかを示したもので、この比率が低いほど自由に使えるお金が多いということになります。

八千代市はこのような状況です。
八千代市の経常収支比率

さまざまな市民のニーズに応えるために、この比率には余裕があることが望ましいとされています。
しかしながら八千代市では、物件費や扶助費、公債費、補助費などの経常的経費が増えており、近年ずっと財政の硬直化が進んでいる状態です。
県内で比較しても、かなり高い比率であることが分かります。
県内比較_経常収支比率

常に財源に余裕がない状態が続いていますから、いざという時につかえる貯金(財調)に回せる金額も限られています。
八千代市の財調は、県内で比較すると多くないことが分かります。
県内比較_財政調整基金
これらの指標については、他市の市長たちと時々議論することがあります。
一般的には「財調は多くあればあったほうが良く、経収率は低ければ低いほど投資可能財源がある」と言われていますが、市民サービスの充実といった観点から、一概にそうとも限らないのではないか?という話です。

例えば財調は(歳入歳出の差である)実質収支の1/2以上を積み立てるのですが、これが多額にあるということは、もしかしたら「歳入に比べて歳出が必要以上に抑えられていることで、市民サービスにつながる歳出を抑え込み過ぎている可能性がないとは言えない」という見方があります。
また、経収率についても、「高くて投資可能財源がとぼしいと言うことは、それだけ市民サービスに使っているから余剰財源が少ない」と主張する市長もいるくらいです。

しかしながら、今回の新型コロナウィルス対策を講じながら考えてみると、八千代市は令和7年度までは人口増が続くとはいえ、その後は人口減となり歳入の大きな柱である市税収入の落ち込みが視野に入ってきています。
また、今回の新型コロナウィルスの影響で来期の市税収入の減少も懸念されます。

現在の市民サービスを維持継続するためにも、経常支出の削減を断行しなければならないと考えます。
八千代市の財調は、前年度決算ベースで約25億円。
この金額は、決して少ないわけではないのですが、潤沢にある状態でもありません。
経常支出を抑え、財政を筋肉質にすることで、市民サービスの更なる充実に努め、市民満足度の高い八千代市政に取り組んで参ります。

ご参考/
「八千代市の財政状況」平成30年度決算から
(市ホームページ)
http://www.city.yachiyo.chiba.jp/content/000111250.pdf

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