~八千代市のまちづくりと財政運営を考える~
最近、新しい小学校や市庁舎、防災道の駅など、大きな計画が次々と進んでいますので、
「未来にツケを回すことにはならないのか」
「箱モノ行政になっていないか?」
といったご心配の声をいただくことがあります。
たしかに、大きな事業が続くと、財政が大丈夫なのか不安になるお気持ちはよく分かります。
そこで今回のブログでは、市の考え方と財政運営の実情、そしてこれからの八千代市の未来についてお話しします。
1.「必要な投資」で市民の暮らしを守る
まず前提として、現在進めている大型事業はいずれも【将来のために先送りできない】から【今取り組むべきだと判断した】事業です。
たとえば、西八千代地区に建設中の新設小学校。
児童数の増加に伴う小学校不足を解消するために2026年4月開校を目指して進めている事業で、子どもたちが安全で快適に学び成長できる環境を整えることは、まちの未来を築く土台ですから後回しにするわけにはいきません。
市庁舎の整備も同じです。
いつ発生してもおかしくない大地震への対策が最優先の課題となる今、耐震性能を確保し、災害時にも対応できる体制を整えることは喫緊の課題です。
災害が起きた際、市の司令塔となる庁舎が機能を失えば、市民の命を守ることはできません。
これも決して贅沢な話ではなく、命を守る投資だと私は考えます。
防災道の駅や市民体育館の改修も、ふだんの便利さだけでなく、災害時の避難拠点としての役割が期待されています。
暮らしの安心につながる事業であり、今やらなければならない課題だからこそ「今」取り組んでいるのです。
2.財政はしっかり「見える化」しながら運営
財政についても、「歳出超過」という言葉だけが一人歩きしていますが、実際はもう少し複雑です。
市は中長期の財政見通しをきちんと立てていますし、基金(いわば市の貯金)の計画的な活用や、市債の健全な管理もしています。確かに一時的に支出が増える局面ではありますが、それは必要な時期に必要な投資をしているからです。
それでも計画の範囲内で進められていることは、公開されている財政資料でも確認できます。
もちろん、市も「何でもかんでもやる」わけではありません。
事業の優先順位付けや、補助金の活用、工事費の精査など、財源の確保に向けた努力も進めています。
例えば、直近の予算でも、税収が引き続き堅調に伸びると見込まれるなかで、小中学校の整備には国の補正予算で用意された補助金を活用しています。また、庁舎建設や学童保育所の設備整備には、将来の負担を抑えるため、交付税措置のある有利な起債を活用するなど、見直しを行いました。
さらに、公共施設の計画的な改修に備えた基金も積み増すなど、将来を見据えた財政運営にしっかり取り組んでいます。
詳しくは下グラフをご参照ください。
「市民のために必要なことは進める」
「必要のないものはやめる」
私はこの考えを大切にしながら、財政の健全化とまちづくりの両立を図ってまいりました。

▲ 基金残高の推移
家計で言えば、いわゆる預貯金です。
庁舎や小中学校などの公共施設は、老朽化が進んでいますが、こうした課題にしっかり備えるため、市では「庁舎整備基金」や「公共施設等整備基金」を計画的に積み立てています。
将来の大きな財政負担を軽減し、安定した市の運営を続けられるよう準備を進めています。
庁舎や小中学校などの公共施設は、老朽化が進んでいますが、こうした課題にしっかり備えるため、市では「庁舎整備基金」や「公共施設等整備基金」を計画的に積み立てています。
将来の大きな財政負担を軽減し、安定した市の運営を続けられるよう準備を進めています。

▲ 市債発行額・元金償還額・市債残高の推移
家計で言えば、ローンなどの借り入れにあたります。
「市債の発行額を償還額以下に抑える」という方針のもと、令和6年度までは市債残高は減少傾向が続いてきました。ただし、令和7年度以降は、庁舎建設やみどりが丘小学校の分離新設、市民体育館の改修、防災道の駅やちよの整備など、大規模な工事が予定されているため、一時的に市債残高が増える見込みです。今後も計画的に残高を減らしていく方針は維持しながら、引き続き縮減に努めてまいります。
「市債の発行額を償還額以下に抑える」という方針のもと、令和6年度までは市債残高は減少傾向が続いてきました。ただし、令和7年度以降は、庁舎建設やみどりが丘小学校の分離新設、市民体育館の改修、防災道の駅やちよの整備など、大規模な工事が予定されているため、一時的に市債残高が増える見込みです。今後も計画的に残高を減らしていく方針は維持しながら、引き続き縮減に努めてまいります。
3.「選ばれる八千代」へ。今の投資は未来への種まき
よく「選択と集中」と言われますが、八千代市はまさにその姿勢です。
今進めている事業は「市民生活に直結するもの」にしぼっています。
たとえば、住みよい環境をつくることで人口流入を促し、将来の税収増加につなげる。
子育て世代が安心して暮らせるまちにすることで、企業誘致やまちの活性化につなげる。
こうした「未来への投資」が、まちの好循環を生み出すのです。
私は、八千代市が【住みたいまち】【行きたいまち】【働きたいまち】として「選ばれる」まちづくりを目指し、さまざまな取り組みを進めていきたいと考えています。
人口が増えれば市税も安定し、まちのサービスも充実。
今回進めているような新しい施設整備は、将来の税収増加を見据えた好循環の一部でもあるのです。
何も投資をせず「ツケを回さない」ことだけを考えてしまえば、かえって未来の市民生活が苦しくなってしまうかもしれません。
もし、必要な整備を怠り、子どもたちを遠くの学校に通わせたり、耐震性の低い庁舎のままにしておいたら…。
たとえ財政が黒字でも、市民生活は豊かと言えるでしょうか?
市民の皆さんにとって本当に必要な投資を精査し、皆さんからお預かりした大切な市税は、市民の暮らしと未来を支えるためにしっかりと活用してまいります。
市の財政運営がこれからも健全であるためには、【市民の目】もとても大切です。
皆さんが市政に関心を持ち、意見を交わすことが、まちをより良くする力になります。
私はそうした皆さんの声を受け止めながら、必要な事業には果敢に挑戦し、不要なものは見直す姿勢を大切にしてきました。
今、八千代市は、必要なことにはしっかり取り組みつつ、無駄なことは省く姿勢で進んでいます。
これからもブログやSNSなどを通して、皆さんに分かりやすくお話していきたいと思いますので、ぜひ一緒に八千代の未来を考えていきましょう!