千葉県内で水道料金の値上げが話題に!? でも八千代市は…
~暮らしを支える「水道水」と「下水」のいま~

現在、千葉県内では水道料金の値上げが注目されています。一方、八千代市の水道料金は県内でも比較的安価に抑えられていることをご存じですか?
さらに、物価高騰が続く中、市では国の交付金を活用し、水道料金の基本料金を合計10か月分免除。市民や事業者の負担軽減にも力を入れています。

では、なぜ八千代市の水道料金は安く抑えられているのか?
そして、今後も安定した料金を維持するための取り組みとは?
今回は、本市の水道水や下水に関するお話を紹介したいと思います。
上下水道庁舎

1. 水道料金について

◆ 
八千代市の水道料金のヒミツ
八千代市の水道料金が安価に抑えられている理由は、市内の地下水を活用し、安定した水道水の供給を実現しているからです。
八千代市の水道水は、市内の地下からくみ上げた井戸水と、北千葉広域水道企業団(千葉県・松戸市・野田市・柏市・流山市・我孫子市・習志野市・八千代市で構成)が利根川水系江戸川の水を高度浄水処理した水を混ぜて供給しています。
清浄な井戸水が豊富にあるため、水道料金を他市より比較的安く抑えることができています。

◆ 物価高騰対策として水道基本料金を免除!
物価高騰の影響を受ける市民・事業者の生活を守るため、八千代市では国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を活用し、水道料金の基本料金2か月分(令和7年2月・3月検針分)を免除しました。

申請不要でスムーズに支援!
水道普及率が99%を超えている八千代市では、この施策により多くの市民・事業者へ公平な支援を届けることができました。水道料金の請求時に減免を適用することで、申請手続きの手間を省き、迅速かつ確実に負担軽減を実施しました。

 1世帯あたり約13,400円の負担軽減!
この水道基本料金の免除は、令和4年10月分から実施されている対策です。
過去に実施した8か月分(令和4年10月~令和5年3月分、令和6年2月~3月分)と合わせて、今回で合計10か月分の免除となります。金額にすると、最も利用が多い水道メーター口径20mmの場合、基本料金は1か月あたり1,342円(税込)ですから、10か月分免除すると約13,400円(1,342円×10か月分)相当の負担軽減につなげることができました。
物価高騰が続いておりますので、今後も国の経済対策と連携しながら、さらなる支援策を検討してまいります。

◆ 未来の水道を守るために
水道水を安定して供給するためには、効率的な維持管理と合理的な経営が必要です。
八千代市では、今後の水道水の使用量の減少を見越して、現在7か所ある浄水場・給水場を3か所に集約する「八千代市水道施設再構築基本計画」を進めています。これにより、維持管理のコストを抑え、効率的な運営を目指します。
しかし、近年の物価や燃料費の上昇は水道事業の経営にも影響を及ぼしています。今後も適切な経営を進めながら、安全で安定した水道水の供給につとめてまいります。
給水場

▼ 村上給水場は令和5年12月に改良工事が完了しました。
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2. 市内の下水道管の状況

◆ 八潮市の道路陥没事故を受けて、八千代市も点検を実施
今年1月末、埼玉県八潮市で道路が突然陥没する事故が発生しました。その原因とされるのが、老朽化した下水道管(汚水管)の腐食です。これを受け、八千代市でも同じような問題がないか、市内の主要な下水道管の緊急点検を行いました。

◆ 点検結果は異状なし
その結果、口径1メートルを超える約2.2キロメートルの汚水管については、職員がマンホールを中心に目視点検を実施し、異状は確認されませんでした。
また、千葉県が管理する「印旛沼流域下水道」の一部についても、国土交通省の要請により点検が行われました。こちらも目視点検の結果、異状は認められず、国道など重要な道路の地下の空洞調査でも緊急対応が必要な下水道管は確認されておりません。
なお、市内で千葉県管理の流域下水道(口径2メートル)につながるのは一部で、ほとんどは直径20センチメートルの下水道管(枝線)です。

◆ 下水道の仕組みと腐食対策-見えない地下で何が起こっている?
八千代市の下水道は、自然の傾斜を利用して水を流す「自然流下方式」で整備されています。そのため、道路の地下には水道管やガス管よりも深い位置に汚水管が埋設されており、最終的には印旛沼周辺の13市町から集まった下水が、千葉市の花見川終末処理場などで処理され、海へと放流されます。

しかし、地形や他の埋設物の影響で、汚水の流れをスムーズにするためにポンプで汲み上げたり、道路の形に合わせて管の向きを変えたりする必要が出てきます。こうした場所では汚水の流れが乱れ、硫化水素というガスが発生しやすくなります。このガスが汚水管を腐食させる原因のひとつです。
そこで八千代市では、この現象が起こりやすい箇所について以下のような定期点検を行い、腐食の進行状況を確認しています。
【主な定期点検】
✅ 圧送管(ポンプで下水を送る管):吐き出し口を3年に1回点検
✅ 伏せ越し管(川や地下鉄等より下を通す管):3年に1回点検
✅ 汚水水管橋(川や道路を横断する汚水管専用の橋):5年に1回点検

本市はこうした定期的な点検を通じて、下水道管の老朽化による破損を防ぎ、事故を未然に防ぐ対策を講じています。市民の皆さんが普段目にすることのない地下の安全についても、しっかりと守る取り組みを進めておりますのでご安心ください。


八千代市は、皆さんの生活を支える「水道水」と「下水」を守るため、さまざまな工夫と努力を続けています。これからも安心して暮らせるまちづくりを進めてまいります。