市長就任後、八千代市では保育園の定員拡大に積極的に取り組んできましたが、近年は入園申込者数が急増しており、保育ニーズに対して十分な定員を確保できない状況が続いています。
特に令和4年4月時点では待機児童数が大幅に増加したことを受け、中でも申込の多かった1歳児〜2歳児の受け皿拡大に力を注ぎ、小規模保育園の整備などを進めてきました。

(ご参考)
2022年09月08日 保育園の待機児童と定員拡大に向けた見通しについて(令和4年8月現在)

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▲ 令和3年4月に新設した八千代台西保育園

こうした取り組みにより、一部ではようやく改善が見られ始めていますが、「3歳からの預け先が見つからない」という声はいまも多く寄せられています。
整備してきた小規模保育園は2歳児までのため、卒園後には新たな預け先を確保する必要があり、この預け先の壁が課題となっています。

中でも八千代緑が丘駅周辺では、子育て世帯の急増により入園希望者が集中し、3歳児クラスで保育園に再入園するのが極めて難しい状況が続いています。
こうした声に応え、新たな選択肢を提供するため、市では令和6年4月から「送迎保育ステーション事業」を緑が丘西地区・ゆりのき台地区の2か所でスタートさせました。


【送迎保育ステーション】とは?

「近くの保育園には入れない。でも、少し離れた幼稚園には空きがある」
「けれど、送迎や時間の都合で通わせられない……」
そんな保護者の声に応えるための新たな支援策です。

送迎保育ステーションでは、朝・夕の幼稚園のカリキュラム前後にお子さんをお預かりします。
待機児童対策として増やしてきた0〜2歳児向け小規模保育園を卒園した子どもたちの“新たな選択肢”として、保護者の多様な働き方や通園の負担に対応できるよう【幼稚園+送迎+預かり保育】を組み合わせた支援体制を整えました。

【早朝から19時まで】共働き世帯を支える1日の流れ
▶ 朝:お子さんは送迎保育ステーションでお預かり。園バスでステーションから幼稚園へ向かいます
▶日中:幼稚園の通常保育時間を、連携園で楽しく・安心して過ごします。
▶夕方:園バスでステーションに戻り、最大19時まで預かり保育

(ご参考)
八千代市送迎保育ステーション事業
https://www.city.yachiyo.lg.jp/site/kosodate/40474.html(市ホームページ)

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送迎保育ステーションの運営は、安心してご利用いただけるよう、すでに認可保育所等を運営している法人が担っています。
ステーションには、保育士や幼稚園教諭などの資格を持つ職員を常時2名以上配置し、お子さんが滞在する間も、安全に、そして温かく見守る体制を整えています。

また、日中を過ごす連携幼稚園も、当初の2園から3園に拡大しました。

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この送迎保育ステーションを整備するにあたっては、市民アンケートで「保育園と同じ時間まで預けられるなら、幼稚園に預けたい」と回答した方が65.2%にのぼったことも参考にしました。

八千代市内には、子どもたちを豊かに育む個性あふれる魅力的な園が数多くあります。
保護者の就労時間と幼稚園の開所時間との“すきま”を埋めることで、自宅から離れた園も選択肢にできるようにと考えたことが、送迎保育ステーションを整備した大きな理由のひとつです。

こうしたニーズに応えながら、共働き世帯でも安心して子育てができる八千代を目指して、体制の充実を進めているところです。
今後は、3歳児以上の保育が必要なお子さんの預け先のひとつとして、さらに多くの方にご利用いただけるよう、連携園の拡充にも取り組んでまいります。

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▲ 令和6年4月に増築した緑が丘こひつじ保育園(定員増 60人⇒110人)


“わかる・届く”支援へ 情報発信のあり方に工夫を

せっかく新設した送迎保育ステーション事業ですが、現状では周知が十分とは言えない状況にあります。利用者も想定していたより少なく、とくに市外から転入されたご家庭からは「そんな仕組みがあるとは知らなかった」という声もあるようです。

今後、「住みたいまちに選ばれる八千代」を実現するためにも、子育て世帯の流入にしっかり応えられる体制整備に加え、制度を「きちんと届ける」情報発信の工夫は重要な課題のひとつです。

今後は、現状の問題点をふまえた制度の見直しや情報発信の強化、連携園のさらなる拡充などを進め、
「保育園に入れなかったから働けない」という不安を取り除く体制づくりと並行して、
「八千代ならいろいろな選択肢があるから安心!」と思ってもらえるようなまちを目指していきます。


子育て世代の声を、これからの施策へ

保育の課題は、単に施設を増やすだけでは解決しません。
子どもたちが安心して過ごせる場所、保護者が仕事と子育てを両立できる環境、
それぞれの家庭に合った「選べる選択肢」を整えることが大切です。

皆さんからの声が、次の改善につながります。
これからも市民の皆さんとともに、子育てしやすく、住み続けたい八千代を一歩ずつ実現してまいります。