以前、「八千代市では、地震で水道施設が被災するなどして生活に必要な水が得られない場合に備え、井戸を所有する人を対象に“災害時協力井戸”を登録しています」ということをTwitterでお伝えしたところ、次のご質問を頂きました。


そこで今回は、災害時における八千代市の給水対応と、ペット同行避難についてご紹介します。

1.給水対応について
災害時の飲料水については、
①災害用井戸(各小中学校)による対応
②備蓄ペットボトルによる対応
③上下水道局による対応
の、大きく3つの手段で給水対応を行います。

①災害用井戸
これは、避難所となる各小中学校に設置されているものです。作動点検は発電機も含めて月1回実施しているほか、水質検査も年2回行っております。ただし、水質検査で新木戸小学校と勝田台小学校の井戸については飲料不適となっています(現時点)。

②備蓄ペットボトル
東消防署内倉庫に500ml × 14,400本、上下水道局に500ml × 25,000本を備蓄しています。これは、一人当たり一日3リットルが必要だと換算した場合、最大約6,560人の1日分の飲料水にあたります。

③上下水道局による対応
・運搬給水(応急給水)
医療・福祉関係機関などの重要施設や、緊急を要する給水拠点を優先し、車両等で運搬給水を実施します。この給水拠点は、断水・応急給水に対応できる職員や車両の確保状況に応じて逐次拡大するほか、必要に応じて広域応援体制の枠組みを活用し給水量を拡大します。また、仮設水道管や応急給水施設の設置も検討します。
・緊急貯水槽(地下貯水タンク)
西八千代調理場また勝田台中央公園に設置済の緊急貯水槽を活用し給水対応にあたります。こちらは手押しポンプによる給水が可能となっています。


また、「災害時協力井戸は実際どのように使うのか?」ということについても触れておきます。

位置付けとしては、災害が発生したときに生活に必要な水が得られない場合に、市民等が所有している井戸を生活用水や飲料水として活用させていただけるように登録を要請しているものです。
現在(令和3年4月1日付)は計95か所が登録されており、黄色の表示板を交付していますのでこちらを井戸に掲示していただいています。登録に際して、現地調査や水質検査を行った上で判断しており、登録後も3年に1回を基準に市が水質検査を実施しています。仮に飲料に適さないとの判断がなされた場合は、登録を解除します。

もし利用することがあった場合は、利用のために特段の手順は必要ないとしています。この理由は、登録の時点で「災害が発生したら、市民の求めに応じて協力(許可)いただく」ということを要件にしているからです。
ただし、停電が発生した場合に、自動ポンプを使用している井戸などは使用できなくなったりするため、あくまでメインは先にお伝えした3点の給水対応をしっかり行ってまいります。

余談ですが、なぜ八千代市内にはこれほどまでに井戸が整備されているかご存じですか?これは第3~8代市長として八千代市発展のために尽力された仲村市長時代に、上・下水道の普及を含めた都市基盤整備を進めたことによります。当時はまだ規制がかかる前で、多くの井戸を設置することも可能でした。ちなみに、この上・下水道整備のおかげで、本市の水道料金は安く抑えることが出来てきました。近年は老朽化対応で値上げもありましたが、それでも県内で比較するとその安さが分かるかと思います。

※ご参考/市ホームページより
(令和元年10月1日に水道料金を改定しました)
http://www.city.yachiyo.chiba.jp/801000/page100023.html

(災害時協力井戸について)
http://www.city.yachiyo.chiba.jp/121500/page000028.html


2.避難所におけるペット対応について
八千代市では、被災して自宅が危険な場合や、避難指示が発令されている場合には、ペットとご一緒に安全な場所へ同行避難することを推奨しています。
動物が苦手な方やアレルギーを持っている方に対して配慮が求められるため、ペット専用スペースを設置することで対応するよう運営マニュアルを用意し、防災訓練ではペット同行避難に関する訓練も行っています。

また、八千代市では災害時における動物救護活動を迅速かつ円滑に実施する体制を整える目的で、令和2年3月16日に京葉地域獣医師会と「災害時における動物救護活動に関する協定」を締結しました。
動物救護活動の対象となるのは、主に犬と猫です。
市の協力要請に基づいて、京葉地域獣医師会に所属する獣医師の方々が、負傷したペットの応急手当や、飼い主とはぐれたペットの一時預かり、避難所での衛生指導などを行います。

2020年3月16日動物救護に関する協定締結式

避難所ではゲージに入れることを条件に、(避難所施設ごとの状況によって異なりますが)体育館内の倉庫や更衣室といった屋内や、渡り廊下・ピロティといった屋根がある屋外スペースにペット避難場所を設置する想定しています。また、避難所にペット専用の備蓄食料や薬はありませんので、飼育に必要なものを飼い主の防災用品と一緒に準備しておき、避難の際にはゲージに入れる等してお連れください。

とはいえ、避難者の受け入れ状況、また大型動物・危険動物といった種類によっては受け入れが困難な場合もあることから、ぜひ平時のうちに万一のときの預け先を探しておくと安心です。他にも、災害に備えて日頃から準備できることを市ホームページにまとめていますので、ぜひご覧ください。
(ペットの災害対策)
http://www.city.yachiyo.chiba.jp/60500/page100208.html

はちと市長202104
私の大切な家族の一員、愛犬のハチです。